「子どもにとって」理想の間取りは
・家で過ごす時間、幼い子ほど長い
注文住宅の間取りを考えるのは施主である自分たち夫婦と住宅メーカーです。
しかし、実際に住むのは自分たちに加えて子ども2人の計4人。
家族にとって理想の間取りを考える際には「子どもにとっての理想」も考える必要があります。
ここで難しいのは、子どもが小さければ小さいほど、子どもが自分たちの希望条件を言葉にできません。
それなのに、子どもが小さければ小さいほど、その後、完成した住宅で過ごす時間が長くなる可能性があるわけで、なるべく子どもにとって居心地の良い環境を整えてあげたいというのが親心です。
・子の成長で機能変化?
ただ、子どもは乳児期、幼児期から思春期と、成長するにつれて求めるものが変わってくるもの。
設計時の子どもの状況を意識しすぎると、子どもが大きくなった時に使い道のないスペースができてしまう場合があるでしょうから、注意したいところです。
極論を言います。
例えば幼児期の子どもは家の中にキッズコーナーのような遊び場があれば喜ぶでしょうし、庭にブランコがあれば嬉しいでしょう。
ですが、それらは数年後に無用の長物になります。
成長した子どもと、その時の自分たち夫婦にとっても暮らしやすい家を作るのなら、大切なのは固定の構造物を設けず、子どもの成長とともに機能を変化させられる家なのかも知れません。
・夫婦の希望も忘れずに
つまり、転んでも地面が柔らかくケガをしにくい和室をリビングの隣に設け、まずは子どもが幼児期までは遊び場として活用します。
やがて子どもが小学校、中学校に入り、個室を欲しがったり、家の中を走り回って遊ぶような時期が過ぎたら、客間にしたり、夫婦の趣味スペースにしたりすれば、スペースを有効活用できそうです。
住宅づくりに子どもの理想を反映させるのは大事ですが、基本的に完成した住宅に最も長く住むのは自分たち夫婦です。
だから、互いの希望条件を両立して実現できる落としどころを探る努力が必要でしょう。